今年から日本発の鼻腔内噴霧タイプの経鼻弱毒性インフルエンザワクチンの
「フルミスト」が始まります。フルミストは2003年にアメリカで、2011年から
ヨーロッパでも認可・発売されており、安全性や効果については実績のあるワクチンです。
日本では2歳から18歳（19歳未満）のお子さんが対象となります。

特徴は
①痛くありません：鼻の中へ吹き付けるワクチン（各鼻腔に0.1 ml）で、注射では
ないので痛みがありません
②効果が長い：鼻腔や咽頭粘膜など表面に免疫をつくるため、注射のワクチンよりも
効果が持続します（約1シーズンから1年間）
③予防効果が高い：インフルエンザウイルスは主に気道粘膜に感染します。フルミストは
注射ワクチンで作られる血液中のIgG抗体に加え、気道分泌型IgA抗体も作られます。
特に小児において予防効果が高いと言われています。また弱毒化したウイルスのワクチンで
免疫をつくるため、流行しているインフルエンザと株が違っても発症を軽症化させる作用
があります
④接種回数は1回：注射のワクチンは13歳未満では2回の接種が必要ですが、フルミストは
1回のみと負担が少ないです（海外では9歳未満で過去にインフルエンザワクチンを2回以上接種
したことがなく、インフルエンザにも罹患した既往のない方は2回（4週以上の間隔をあけて）が
推奨されていますが、日本国内では全ての接種適応年齢 （2 歳～19 歳未満） において
1 シーズンにおける最大接種回数を 1 回と規定されています）

接種後に軽い風邪症状を数日認めることがあります。
卵白のアレルギーのある方や喘息のコントロールが悪い方、免疫が著しく低下して
いる方、人工内耳手術をうけている方等は接種は出来ませんのでご注意下さい。
生ワクチンですが、抗体を作る仕組みが鼻粘膜からの作用となるため、
他の生ワクチン（MRワクチン、おたふく、水痘など）とも間隔をあけずに
接種することが可能です（コロナワクチンとは2週間あけて）。

今年は供給量がまだ少なく、入荷数も限定されそうです。入荷時期は10月上旬
以降の見込みです。接種金額は9000円/回（1回のみ）となります。
少し値段は高めですが、痛みはないので注射が苦手な方や、腕が腫れやすい方、
また効果も長く受験生などはご検討いただくとよいかと思います。
予約時期や方法の詳細は分かり次第またご案内致します。